衆議院解散にあたって ( 2005/08/12 )
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平成17年8月8日、衆議院が解散されました。
衆議院を通過している郵政民営化関連法案が、参議院で否決されたからといって、衆議院を解散するという理屈には意味も正当性もありません。ましてや法案をよりよい内容とするために慎重審議を求めた議員を一方的に「反対派」「敵」と決めつけ自民党公認をせず対立候補を擁立するなどとは、伝統ある自由民主党を破壊し、政治に停滞と混乱を生じさせるだけのテロにも匹敵する行為です。
議論による決着ではなく、他者を排除し貶めることによって論点をすり替え、言論自体を封殺する手法は許されることではありません。最近の自民党内でこのような手法が横行していることに、心からの危惧を抱いていましたが、それが最悪の形となったことが誠に残念でなりません。
私は自由民主党を心から愛しています。
1955年に保守大合同によって自由民主党が誕生して以来、今年は結党50年という節目の年を迎えています。その半分にあたる25年間、私は私のライフワークである憲法改正をはじめ、保守政治・政策の実現こそが国民生活の利益であり、日本が真の独立国として国際社会に存立することになると信じ、自民党の代議士として地域の皆様に支えていただきながらともに今日まで歩んで参りました。今日まで自民党の多くの先輩方や仲間に育てていただいたことに心から感謝いたしております。
リクルート事件や佐川急便事件で自民党が国民の大批判を受け下野したとき、沈みかけた船からネズミが逃げ出すように多くの国会議員が自民党から離れて行きましたが、私は自由民主党を建て直すことこそが時間や費用や効率の面からも最も現実的な方策であり、日本の為になると信じ、自民党内に留まりました。そして党全国組織委員長として、自民党を支えてくださっている皆様の厳しいご叱正を頂戴しながら、党の建て直しのため、全国をお詫びをしながらまわらせていただきました。党の危急存亡のときに身体を張って断固として支え守ってきたという自負を持っております。
私は自由民主党が、他国や他党の利益や要求を優先するのではなく、日本国の国益そして日本国民のための政策実現に向けて、党内で侃々諤々の議論を積み重ねてゆく真っ当な姿に一刻も早く目覚め、立ち戻っていただきたいと心から願っています。
自民党が真に国民が安心できる保守政策を訴えて選挙に臨むことこそが、他党との選挙協力に依存しなければ選挙に勝てないという呪縛から解き放たれ、国民有権者の信頼を回復する唯一のまっとうで正しい道であると思います。
「郵政改革」は、政局にしなければならないような国家の最重要課題ではありません。しかし重要度が低いから、内容に関係なく取り敢えず通せばよいというのでは余りにも無責任です。ましてや内容が地方の切捨て、国民資産の外資への献上に繋がりかねないということではなおさらです。国の方針や法律はゲームのように簡単にリセット出来るものではありません。だからこそ危惧される点をひとつひとつ吟味し成案を得るべきだと主張しているのです。
私は政治家として、自分自身に対しても国民有権者に対しても嘘はつけません。選挙とは自分の政策・信念を有権者に問うべきものであるはずです。ときの世論や流れに迎合して信念を曲げ、嘘や方便を並べて保身や当選を第一とすることなど私には出来ません。
先送りしてはならない重要な課題とは、憲法問題であり、教育基本法であり、年金をはじめとする社会福祉政策であり、安全保障問題であり、地方の活性化であり、北朝鮮拉致問題や繰り返される領海侵犯や不当に踏みにじられている日本の主権や日本人の生命に係わる外交課題の解決、安心して生活できる治安の回復、日本経済の中核である中小企業対策を中心とした地に足がついた景気回復であるはずです。
拉致問題解決のため、北朝鮮に対する経済制裁について衆参両院の拉致問題特別委員会において既に制裁を決議していますが、これこそ一刻も早く衆参両院で国会決議を採択するとともに、決然と制裁を実行すべきです。そしてそのことにより国際社会に、「誰が何と言おうと日本国は日本人を守る。日本人に対する不当な拉致やテロを日本国政府は断固として許さない。」という強いアピールを行わなければ、日本国政府は日本人の生命・財産・主権が損なわれることを看過し許容するという、大変危険な受けとめられ方を誘因することにもなりかねません。自国民を守ろうともしない国家など、どんな国からもまともに相手にされる訳がありません。日本は現在その瀬戸際にあります。
また教育基本法の改正論議が先送りされていること、内容的には非常に問題が多く国民生活に深刻な影響を与えかねない「人権擁護法案」が自民党内において党内論議を封殺して法案の国会提出強行寸前までいってしまい今後も楽観できない状態であること、外国人犯罪の増加・凶悪化、北朝鮮での核問題をめぐる6ヶ国協議が実質日本を棚上げにした5ヶ国協議となってしまっている状況、分担金をきちんと真面目に負担し最大のスポンサーとなっている国連においてODAなどで貢献して来た中国や韓国の強硬な反対で実現が非常に危ぶまれている常任理事国入り問題など、内外において「日本」や「日本人」の存立を揺るがしかねない大きな問題が山積しており、それらが郵政問題の陰で、きちんと全てが国民の前に提示され説明されていない現状を心から憂慮しています。
小泉総理と党執行部に問いたい。あなた方はこの日本をどこへ導こうとしているのか?
これらの案件に真正面から取り組むべきこの時期に、あくまでも郵政改革だけに拘り、現時点で性急に強権発動をして同じ党に所属する国会議員を恫喝した挙句、解散総選挙に踏み切ってまで、民営化法案をゴリ押ししなければならない道理がありません。
多少時間を掛けてでも議論を重ねて、より良い着地点を見出そうとすることのどこが間違っているというのでしょうか。どこが古い自民党などと言われるのでしょうか。時間が多少掛かろうとも議論の積み重ねこそが、民主主義、民主政治の原点です。
当選回数や年齢にかかわりなく、おのれの信念や意見を自由に徹底的に討論するが、立場や意見の相違を互いに認め尊重し、論戦を離れれば遺恨を残さないという自由民主党が50年にわたって培ってきた政党政治の根幹の否定です。
他国や他党の要求を優先して党内での議論の積み重ねを無視し、リーダーの意見や手法に異論を唱えることを糾弾し排斥する、これでは「不自由非民主党」です。
何よりも国益を守り、日本国の伝統や文化、日本国民の生命、財産、主権、教育を日本自身の手で守ること、国民の安全・安心を保証することこそが日本国政府、そして政治に携わるものの責務であるはずです。そして責任政党・自由民主党には、保守政党としてこれらの問題に真正面から取り組むことこそ、国民、有権者、党員から求められている最大の責任であると思います。決して他国や他党の利益を優先し、当選を得んがための信念の大安売りではないはずです。
私は現在自由民主党に所属している国会議員として、党を愛する党員のひとりとして、自由民主党が真正な保守政党、真正な国民政党、真正な責任政党としての原点に立ち戻ることこそが日本国のために何としても必要なことであると確信し、切望しております。
これから例えどのような立場におかれようとも、まっとうな日本を創るために、一人の政治家として自分の信念と矜持に基づき、全身全霊で祖国日本と愛する郷土のために決然と行動して参ります。
(平成17年8月11日)
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