郵政事業民営化関連法案について ( 2005/07/08 )
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「郵政民営化」は、慎重に吟味検討し、真に国益と国民の為になるという方向性が明確でなければならないと考えます。結果として国民の利便性を損ない、国民負担を軽減するどころか負担を増やすことになるという内容ではそもそも民営化の意味自体がなくなってしまいます。
「民営化=善」ではありません。国民の利益になる郵政改革こそが必要であり、民営化議論はその一手段であり、決して「目的」ではありません。
私は民営化に絶対反対しているわけではありません。郵政公社も公共サービスの担い手として、安穏とした「親方日の丸・お役所体質」のままで生き残ることは出来ません。職員の意識改革もまだまだ必要でしょう。政府の安易な「打ち出の小槌」として利用するこ とも将来に禍根を残すことになり改めねばならなりません。
ただユニバーサルサービスを堅持することとあわせて、山間地域や離島などで郵便局ネットワークが有している地域社会への介助機能を保持することは、地方への定住・少子高齢化対策の観点からも慎重な議論が必要です。
全国の都道府県議会において「郵政事業改革に関する要望書」が決議され、政府や国会に対して慎重な議論が求められているのは、山間部、島嶼部などをはじめとする地域住民の利益・利便性の確保に郵政事業が大きな役割を果たしていることの証左であると思います。地方議会は政府の今回の民営化基本方針によって、効率化による都市部への事業集中が進行し、地域社会の切り捨て、地域住民の生活に大きな影響が出ることを真剣に危惧し憂慮しています。諸外国での郵便事業・金融保険事業の民営化が失敗し、それらの国の国民の利便性の低下や負担の増加が発生し、再度の国営化による追加負担の発生などの現状を知るにつけ、本当に慎重な議論が必要であると思わざるを得ません。
またニュージーランドの例に見られるように、金融資産の外資流出という危険性を看過するわけにはいきません。現在国際的なハゲタカ・ファンドと呼ばれる欧米の金融投資グループが虎視眈々と狙いをつけているのが、日本国民の金融資産 約345兆円と約24,700の窓口ネットワークを持つ郵貯・簡保です。アメリカなどの執拗な「民営化・株式会社化」要求の根底にはこれらの勢力の思惑があります。私たちが忘れてならないことは、多額の税金を投入した旧日債銀が1,000億円で外資に所有権の半分が渡り、実質外資所有銀行となっている事実、8兆円を投入した旧長銀が僅か10億円で外資所有になってしまっていることです。更にこれらには瑕疵担保条項まで附帯していて数千億円(預金保険機構)が支払われています。改革民営化の結果、大切な国民の資産を外資に熨斗をつけて献上するようなことがあってはなりません。現在の政府法案ではその当りの認識が非常に曖昧であり「自由経済である以上、結果は市場任せ」というのでは不安感を払拭することが出来ません。
私は、郵政公社化4年間の経過をしっかりと検証し、それから真に必要な民営化への徹底した議論がなされることが真っ当な筋道であると考えています。
「郵政改革」は、本来政局にしなければならないような国家の最重要課題ではありません。先送りしてはならないものとは憲法であり、教育基本法であり、年金をはじめとする社会福祉政策であり、安全保障問題であり、北朝鮮拉致問題や繰り返される領海侵犯や不当に踏みにじられている日本の主権や日本人の生命に係わる外交課題の解決であるはずです。拉致問題解決のため、北朝鮮に対する経済制裁について衆参両院の拉致問題特別委員会において既に制裁を決議していますが、これこそ一刻も早く衆参両院で国会決議を採択するとともに、小泉総理は決然と制裁を実行すべきではありませんか。これらの案件に真正面から取り組むべきこの時期に、あくまでも郵政改革だけに拘り、現時点で性急に強権発動をして、衆議院の解散総選挙をチラつかせて政権与党を脅してまで民営化法案をゴリ押ししなければならない道理がありません。
小泉総理の固い信念には敬意を表しますが、ご自身の持論・信念に固執される余り、国益や議会制民主主義を無視するがごとき政治手法、国会運営を押し通される姿勢は残念でなりません。
サミット出席前にどうしても郵政法案の衆院通過を間に合わせて、アメリカへの土産とされたかったのかも知れませんが、郵政公社化2年しか経過していない現時点で「何が何でも民営化強行」ありきで、自民党内民主主義を無視し総務会においても議論を封殺、特別委員会の委員の入れ替えをしてまでの本会議提出強行、次回選挙での公認拒否や除名、公明党の協力拒否までも持ち出した恫喝・圧力、全てが誠に残念でなりません。
今回政府提出の法案は、党内においても国会においても審議が不十分であると同時に、内容的にも地方議会の期待と懸念に応えるものではなく、国民の利益になると言えるものではないと思います。
議論を尽くして、真に国民の利益となる内容の郵政民営化法案であれば、私も喜んで賛成票を投じます。
また今回のように党内民主主義を踏みにじるような強権的な手法を容認することは、断じて出来ません。これが慣例となれば目下の懸案事項であり、国民生活の根幹を揺るがしかねない「人権擁護法案」をはじめとして、慎重の上にも慎重に議論しなければならない諸案件に対しても、外国や他党の思惑を優先する余り、国益や党内の議論を無視した言論封殺、反対論者の排除・粛清を正当化し、これらの手法が恒常的に行われる危険があります。
時間が多少掛かろうとも議論の積み重ねこそが民主政治の原点です。当選回数や年齢にかかわりなく、おのれの信念や意見を自由に徹底的に討論するが、立場や意見の相違を互いに認め尊重し、論戦を離れれば遺恨を残さないという政党政治の根幹の否定にもつながりかねません。これでは「不自由非民主党」です。
私は以上のような経緯から、今回の郵政民営化関連法案には、政治家としての矜持と信念をもって青票・反対票を投じさせていただきました。
何よりも国益を守り、日本国の伝統や文化、日本国民の生命、財産、主権、教育を日本自身の手で守ること、国民の安全・安心を保証することこそが日本国政府、そして政治に携わるものの責務であるはずです。
そのためにも愛する自由民主党が、真正な国民政党、真正な責任政党としての原点に立ち戻り、真っ当に諸問題に取り組むことが何よりも重要であるとの感をあらためて強く致しております。
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