米国テロ事件に関する大臣臨時会見の概要 ( 2001/09/13 )
於記者会見室 11:20〜11:35
|
ASEM及びAEM+3の会議でベトナムのハノイに出張いたしておりました。これは、ASEM、AEM+3、AMEICC、そして我が経済産業省とASEANの国々の会議のAEM+METI、この一連の会合が四つあるわけであります。私はこの米国での非道なテロが起こりましたことで、早く帰ろうと思いましたけれども、共同議長国ということで、どうしても私が臨まなければならない会議がございましたので、それを昨日の夕刻終えまして、飛行機を乗り継いで今朝こちらへ帰ってまいりました。
大変許すべからざるテロ行為に対しては、小泉総理が、断固これに対しては立ち向かわなければいけない、そして、最大の友好国であるアメリカが大変厳しい状況になっているので、政府専用機を2機用意して、いつでも要請があれば救援物資等を積んで行ける態勢をとっていると、こういう形で万全の手配をしているわけであります。
経済産業省としては、経済に及ぼす影響等をいろいろ検討して、実は、私は不在でございましたけれども、省として米国テロ事件対策本部を松田副大臣を本部長といたしまして、11日の未明に立ち上げて、そして先ほど3回目の会合を開いたところであります。
まず、旅行者等であれに巻き込まれている方がいらっしゃるかも知れませんけれども、今判明している方々は銀行等を中心に20名の行方不明者がいらっしゃると、こういうことであります。ご家族の心配を思いますと、大変心痛むものがあります。一日も早い救出、発見が行われることを望んでおります。ご家族をはじめ関係者の皆様方にまずお見舞いを申し上げたいと思います。
当省関係では、商社とか、製造業とか、あるいはそれぞれの企業について、それぞれの局を動員して調査をいたしましたけれども、いずれも我が省の管轄の中で、現時点ではこれに巻き込まれた方々はいない。また、我が省関係では出張者等も含めていないと、こういうことでございます。
経済的な影響というのは、大変あると思っておりまして、特に米国と日本というのは最大の経済の補完関係にある国でありまして、年間貿易額が日本全体で90兆円あるわけでございます。その中で約4分の1強が日本と米国のそういう補完関係にある経済関係でありまして、ご承知のように、今は航空便が全部ストップしており、また、一部の船便もそういう形で、ニューヨークに近い港はストップをしているわけでありまして、そういう中で、今は例えば電子部品等は飛行機で輸出をしておりまして、そういった被害というものは現に出ておりますし、これが長引くと両国にとって非常に大きなマイナスになることは事実だと思っております。そういう中で、一日も早くこれが立ち上がるということを望んでおりますけれども、私どもとしては、アメリカの対応というものを応援をしながら見守り、一日も早い立ち直りを我々としては模索をしていかなければいけないと思っております。
また、株もニューヨーク等は閉鎖をしたわけでありますけれども、日本の株式市場は開設をされまして、ご承知のように17年ぶりに1万円を切る、こういう大幅な下落がありました。これはこのテロ事件の影響が非常に強かったと思っております。そういう中で、これからも経済対策等々、いろいろな面で考えていかなければいけないと思っています。
それから、当省の管轄している石油の値段でありますけれども、これは東京の先物取引市場においては一時ストップ高になりましたけれども、本日に入って落ち着きを見せて、金あるいは国際市場の石油も一時ストップ高ないしは高値に推移をしましたけれども、これも本日ぐらいから落ち着いてきていると、こういうことで一安心しております。しかし、そういう中で、非常に大きな影響があるわけでありまして、我が省としましては、日本の産業、経済に少しでも被害が及ばないようなきめ細かな対応をしていかなければいけないと思っているところであります。
もう一つ、物流にも大きな影響は当然出てきまして、今は米国サイドの企業というのも、IT化等によって余り在庫を持たないというような形になってきています。そして、世界がグローバル化して、そういう中で効率よく工場を稼働するという中で、物流が途絶えると工場の操業にも即影響して、アメリカの産業だけではなくて日本の産業もリンクされていますから、これは長期化すると非常に大きな影響が出ると、そんなような心配をしております。そういう中で推移を見守りながら、適切な手段を講じていくと、こういうことに尽きると思います。 |
 |
Q:
テロへのご所見と政府としてどうこれに対応すべきかという点をお伺いします。 |
A:
これは非常に、想像だにしなかった大規模なテロだと思っています。そして、アメリカの認識として、これは戦争だというのはある意味ではそうかもしれません。まだはっきりしておりませんけれども、ペンタゴンだけでも800人亡くなっているとか、貿易センタービルというのは、少なく見積もっても5万人、多いときは10万人ぐらいが出入りをするということで、あれだけ瓦解したので、これからどれだけの死者が出てくるかという問題があります。万の単位となりますと、まさに一つの戦闘で失われるよりも大きな人命が失われると考えると、まさに戦争であると。ある意味では非対称戦争といいますか、軍と軍という形ではなくて、21世紀の新しい形のそういう戦争ではないかなと、こういう気がしていまして、これは本当に日本だけではなくて、国際的にこういうものの防止のために、しっかりと立ち上がらなければならないと、そういう思いをしています。 |
Q:
なぜこういったことが起きてしまったのか、原因はどうごらんになりますか。 |
A:
これはまだ私は特定はできません。一部新聞等では、特定の人物を名指しして、そこが計画的に起こしたのではないかと言っていますけれども、アメリカも一生懸命このことは調査しているわけですが、まだ特定されていませんので、私からは明確な形で申し上げることはできませんが、想像で言いますと、民族間の対立であるとか宗教間の対立ですとか、そういったものがひょっとしたら根っこにあるのではないか。いわゆる冷戦構造の中では、完全にイデオロギーの対立の戦争、こういう構図でしたけれども、脱冷戦と、こういうことになりますと、世界各地で起こっている紛争を考えると、そういう長い歴史を背負った民族、その怨念でありますとか、あるいはそれにある意味では宗教が触媒の役割を果たすと、こういうことがありますから、これは一般論ですけれども、そういう一つの背景がひょっとしたらあるのではないか。これは断定できませんが、個人的にはそんな感じを持っています。 |
Q:
経済産業省としまして、今後とられる政策があればお伺いしたいのですが。 |
A:
今申し上げたように、物流、あるいは株、そしてあるいは為替、さらにはエネルギーと、こういう形で非常に万般にわたっての影響があると思います。ですから、今は先ほど申し上げたように、落ち着きを見せておりますけれども、しかしこれはいつまたそういう形になるか、非常に予測がつきません。そういう中で、我々としては例えばエネルギーということを考えたときにも、備蓄はしっかりと持っているわけであります。また、日本の工業産業、特に工業立国の日本にとって、もちろん石油等のエネルギーは必要ですけれども、欠かせないのはレアメタルなどがあります。それに関しても、日本の場合には備蓄がしっかりとしています。ですから、当面はそういう形で何とかなると思いますけれども、非常に大きな事件でございましたので、長期化しないような形で対策を適切に両国で講じていく、そして、その分日本がいろいろな面で協力できることがあったら、協力をするということが必要だと思います。そういう中で、我々としては、こういう制約された中での物流の確保でありますとか、そういうことを最大限できるように頑張っていくことが経済産業省の務めだと思います。 |
Q:
経済産業省としましては、一連の通商交渉がございますけれども、日米がございましたし、WTOも新ラウンドの立ち上げの交渉がございましたが、そうした一連の通商交渉への影響というのは現段階ではいかがでございましょうか。 |
A:
私がこの1月に新政権のもとに行って、エバンス長官、リンゼー経済担当補佐官と話をさせていただいて、そういう次官レベルの会合ですとか、あるいは幹部の円卓会議、こういうものを提唱させていただきました。ですから、それらの基本方針は固まっていますが、今は事件が起きた直後ですから、直近の日程は、アメリカから飛行機が出られない状況ですから、私は物理的に厳しくなると、しかし、これはこれで終わるということではなくて、先ほど言いましたように、落ち着いたら、これは当然規定の方針で再開される。
WTOは11月でございます。そういう形で、先行きまだ時間があるわけです。その中間に、この前メキシコでやったものの繰り返しで10月にも非公式の閣僚会合をモメンタムを高めるためにやろうと、こういうことになっていますけれども、これも来月でありますから、私は所定どおりに行えると思います。ですから、これからの推移がまたどういうふうになるかわかりませんけれども、現時点でおさまりつつある状況を見れば、私はWTOも予定どおりドーハで開かれるのではないかと思っています。 |
Q:
そうしますと、APECも大丈夫ですか。 |
A:
APECも当然そういう形で、ハノイでもヨーロッパからみんな来ていましたけれども、上海で会おうといって握手して別れてきました。
(以 上) |