大臣閣議後記者会見の概要 ( 2001/07/31 )
於記者会見室 10:48〜11:13
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(閣議/閣僚懇)
それでは、今日の閣議と閣僚懇談会の報告をさせていただきます。
まず、閣議案件は、一般案件が5件です。当省関係はございません。国会提出案件は10件、これも当省関係はございませんでした。主に質問書です。政令が3件ありまして、当省関係では、例の平沼プランと言っていただいていますが、中小企業等投資事業有限責任組合制約に関する法律施行令の一部を改正する政令、これは、従来、49人体制でしたものを100人に増員すると、こういう体制であります。人事案件が3件でありました。当省関係はありません。今日は、配布資料がたくさんございまして、8件ございました。いわゆる消費者物価指数、家計調査報告、労働力調査報告等です。
それから、持ち回りの閣議案件として、遠山大臣の海外出張、これはペルー共和国の大統領就任式典に参列をすると、この臨時代理が森山法務大臣と、こういう形でございます。
それから、閣僚発言として、内閣官房長官から、東チモール国際平和協力業務の実施についてがありました。これに関連して、外務大臣から、国際的な選挙監視活動のため、国際平和協力業務に関する支援に万全を期したいと、こういう話がありました。
それから、外務大臣から、災害紛争地域における難民及び被災民等を支援するためのジャパン・プラットホーム、それに対して5億8,000万円を拠出すると、こういう話がありました。
それから、田中外務大臣からチェコとユーゴの訪問、G8の外相会合、ASEANプラス3、それの外相会合、ASEAN地域フォーラム、それと、ASEAN拡大外相会合についての出張の報告がございました。
それから、総務大臣から、平成13年度交付税大綱について、総額が19兆1、300億円を本日付で、各地方団体別に発表すると、こういうことでございました。
それから続いて、やはり総務大臣から、労働力調査と消費者物価、家計調査結果について、完全失業率4.9%で前月と同率だと、消費者物価指数も23ヶ月連続で依然水準を下回るというような報告がございました。
それから、厚生労働大臣から、これに関連して、有効求人倍率0.61倍で、前月と同水準であると、有効求人は2.2の減少になると、有効求職者は、1.2の減少となっていると、こういう形であります。そして、非常に予断を許さない状況にあると、そういう認識がございまして、厚生労働省としては、産業構造改革雇用対策本部において決定された中間取りまとめに向けまして、新規成長産業などの出向移籍による失業なき労働移動の支援など、その施策の実施に万全を期していきたいという発言がございました。
それから、環境大臣から、COP6の再開会合、これについての結果の報告がございました。
それから、農林水産大臣から、地方競馬全国協会の会長人事について、モタイシゲル氏を再任すると、こういうことがございました。
それから、官房長官から、8月3日の閣議で、第125回の臨時国会の召集を決定したいと、そういう発言がございました。
それから、懇談会に移りまして、財務大臣から、平成14年度の概算要求の作業を進めていると、各省庁も、骨太の方針に従って準備作業が進捗していると、難しい問題として、30兆円以下に国債の発行を抑えると、こういうことがあって、今鋭意やっていると、策定に当たっては、諮問会議の意見をよく聞いて実施していきたい、それから、与党の意見も聞いていきたいと、諮問会議の議を経て、最終は総理にご判断をいただきたいと、閣議了解に向かって、8月3日に諮問会議で準備状況を聴取をして、それから、枠組みと意見も聞かせてもらいたい、8月6日の週に諮問会議が開かれて、8月10日の閣議了解に向けてこれから作業が本格化するので、各関係閣僚には骨太方針の徹底に努力をしてもらいたいという発言がありました。
それから、尾身大臣から、科学技術担当大臣として、科学技術というのは、科学技術創造立国という形で、重点項目、骨太の方針の中でも一つの柱になっているので、担当大臣としての意見の開陳の場を与えてほしいと、こういうことで、これは結構であるということでございました。
それから、尾身大臣が、この選挙で空白みたいな形であったけれども、この間、経済の実態は非常に悪くなっていると、これからの検討が非常に大切だと、やるやらないは別として、秋の補正予算というものをもしやるという場合には、従来型ではだめで、そして、構造改革の趣旨にのっとって、例えば、大学発で産・官・学が新規産業を起こす、そういう従来型と違った発想でやっていくべきだと、こういうことがありました。それから、島田慶応大学教授が新雇用創出で630万人の雇用を創出するというアイディアがあるけれども、これは大胆な規制緩和というものを伴うものだから、その辺も留意する必要があると、こういうことでした。
最後に、総理から、参議院選挙では、各閣僚に格段の努力をしていただいたと、そして、大変な支持をもらったということで、難問は山積しているけれども、引き続き、一致協力をしてやっていただきたいと、こういう締めくくりのあいさつがございました。
それから、皆様方のご質問を受ける前に、私から2点お話をさせていただきたいと思います。
まず1点は、筑豊のじん肺控訴審判決に関する対応についてでございますけれども、7月19日の筑豊じん肺控訴審の判決について、その内容と対応を法務省とも相談をしてまいりましたが、最高裁に対して上告受理申し立てを行うことにいたしました。本日午前中に、福岡法務局から福岡高裁に上告受理申し立てが行われる予定であります。
本訴訟は、筑豊地区の各炭鉱で就業していた労働者の方々がじん肺に罹患したとして、昭和60年から平成4年の間に国と炭鉱企業6社を被告として、福岡地方裁判所に提訴をしました。平成7年7月20日の第一審判決では、国が勝訴をし、企業は敗訴をした。こういう経過があります。これを不服とした原告及び被告企業が、福岡高裁に控訴をしていたわけであります、控訴後、ご承知のように、企業6社のうち3社は和解をしたわけです。
7月19日の控訴審の判決では、国が昭和35年のじん肺法制定にあわせて、石炭鉱山保安規則を見直さなかった不作為は違法だと、国家賠償法による損害賠償義務があるとされました。ただし、労働者への安全配慮義務は、使用者の義務であること、国は、じん肺防止のための指導監督はある程度実行してきたこと等によりまして、損害賠償の責任範囲を狭めまして、かつ、賠償額も3分の1に減額すると、こういうことになりました。企業については、労働者に安全配慮義務の不履行により、損害を賠償する義務があるということにされたわけです。
判決内容について検討をいたしました結果、金属鉱山に比べ、じん肺を発生させる危険度の低いと認められていた石炭鉱山のじん肺防止義務、これは、トンネル工事現場等と同じ義務でありますけれども、危険度の高い金属鉱山の義務と同等とすることは不合理であると、これが第1点であります。
第2点は、防じんマスクの着用が義務づけをされているにもかかわらず、作業上で励行されていなかったとすれば、それは企業の法令違反でありまして、それを国が賠償するということは不適当であると、こういうふうに判断しました。法令解釈の重要な誤りであると、こういうふうに我々としては誤りがあると判明したので、そういう判断をいたしました。
このため、国といたしましては、これらの判決の内容とその意味するところの行政への影響等を慎重に勘案をしました結果、上告をして、最高裁の判断をあおぐ必要があるとの結論に至りました。
なお、本判決と類似の判決として、ハンセン病訴訟が挙げられますけれども、本訴訟とハンセン病訴訟との間では大きな相違点があると思います。具体的には、ハンセン病訴訟は、国が自ら行った、いわゆる強制隔離政策の違法性が問われたものである。それに対して、じん肺訴訟では、じん肺対策について、第一次的責任を負うのは事業者でありまして、国は事業者を規制しておりまして、この規制に関する行政の不作為が違法かどうかが主な争点となっているなど、国の関与の仕方や社会的な位置づけなど、総合的に見ますと事情が異なっていると思います。
この場をお借りいたしまして、現在もじん肺で大変苦しんでおられる方々には、心からお見舞いを申し上げたいと思っておりますし、また、訴訟中に多数の原告の方々が亡くなられたことは、まことにお気の毒だと思っておりまして、ここで改めてご冥福をお祈りしますとともに、ご遺族の皆様方には、お悔やみを申し上げたいと、このように思っております。
それからもう一つ、先ほどもご報告をさせていただきましたが、現下の雇用情勢というのは、完全失業率が先月と同じ水準、4.9%となるなど、予断を許さない状況になっています。特に地域によっては、雇用情勢が非常に厳しいところもあります。また、今後、不良債権処理も含めた構造改革を進める過程では、企業の倒産や失業の増大等、経済雇用情勢はさらに悪化するおそれもあります。
このため、経済産業省といたしましては、厚生労働省と連携をいたしまして、雇用面のセーフティーネット強化に向けて、積極的に取り組んでいくことにいたしました。具体的には、両省が協力をいたしまして、各地域において、新たに地域産業労働問題連絡協議会を開催するとともに、本省においても、産業労働問題連絡協議会を開催いたしまして、今後の両省の雇用面での取り組みや連携のあり方を議論することといたしております。
また、これらの協議会の結果を踏まえまして、各地域における求人、求職情報の充実、職業紹介の機能の強化などを盛り込んだ、地域産業雇用対策プログラム、これは仮称でございますけれども、8月末を目途に策定をする予定であります。
厚生労働省との連携の詳細につきましては、後ほど事務方から詳しく説明をいたさせたいと思っております。 |
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| 【筑豊じん肺訴訟】 |
Q:
筑豊じん肺なんですけれども、上告の理由は、先ほど挙げた2点になるかの確認なんですけれども、これは、金属鉱山のレベルと同じように扱われるのは不適切であるということと、防じんマスクは、要するに企業の責任であって、国がそれを指導監督するという、そこまでの責任というのは不適当だと、そういう2点でよろしいですか。 |
A:
そうですね。先ほど申し上げましたように、金属鉱山と比べて、じん肺を発生する危険度も低いと認められていた石炭鉱山のじん肺防止義務を危険度の高い金属鉱山の義務と同等とすることは、非常に不本意だという判断です。
それから、これはまた繰り返しですけれども、防じんマスクの着用というのは義務づけられておりました。それにもかかわらず、作業上で励行されていなかったのは、やはり企業の法令違反であると、それを国が賠償するということは不適当であると、この2点で、我々としては上告するということでございます。 |
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| 【参議院議員選挙】 |
Q:
参院選直後の会見なんですけれども、参院選の評価と、今後の小泉内閣への取り組みなどありましたら、お聞きしたいんですけれども。 |
A:
私も選挙期間中、全国各地を回らせていただいて、街頭や、あるいは集会等でいろいろと活動をさせていただきました。
その中で、肌で感じたのは、やはり1つは、政治の継続性を国民有権者の方々が求められているということを実感しました。やはり、この10年余りで11人の総理大臣が誕生して、政治に対して安定性を欠いたということに関して、小泉さんに継続的にやってほしいという期待が、非常に私は大きかったと、こういうことを感じました。
それからもう一つは、小泉首相自らが、聖域なき構造改革、そして、改革断行内閣と、こういうことで、非常に思い切った構造改革をやってくれるだろうと、そして、それに対する期待というものが非常に大きかったと思います。それは、今までの選挙のときに、総理大臣が街頭に出ても、一番集まっても五、六千人というのが、3万、2万という人たちが集まってくるというのは、相当大きな期待のあらわれかなと、こういうふうに実感させていただきました。
そういう中で、この参議院選挙の結果は、与党三党に対して圧倒的な支持で、我々が思っていた以上の議席を獲得することができたと、こういうことでございますので、自民党の中でも、小泉さんが9月以降も続投すると、こういう形に相成りましたので、いよいよ腰を据えて、既に動き出しておりますいわゆる骨太の方針、これがそういうものの中心に予算編成等が着実に実行されると思っております。それから、いろいろ改革をしなければならない諸問題がございます。そういう中で、それも弾みがついていくと思っておりますので、経済構造改革担当大臣としては、この流れという中で、最大限の努力をして、実効が上がるようにしていきたいと、このように思っています。 |
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| 【筑豊じん肺訴訟】 |
Q:
じん肺訴訟の判断について、大臣自身の感想を。 |
A:
私は、やはりこれは、ハンセン病訴訟とは基本的に違うということであると、そして、今申し上げた2点というものに関して、やはりこれは司法の判断を、最高裁の判断をあおぐことが適当であると、こういう判断をいたしました。
法治国家であり、三審制でありますから、そういう中で、粛々と判断をあおぐと、こういう感想であります。 |
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| 【失業率】 |
Q:
総理が選挙後の各種のインタビューで、今後二、三年間は、目に見える経済回復はないような状況を乗り越えなければならないと言っておられますが、失業率に関して、どれぐらいの数字で推移していかなければいけないか、さらに悪化するおそれがあると思いますか。 |
A:
前月、それから今回の発表で4.9%という非常に高い数字になっています。
地域によっては5%を超えるというところも出てきています。そういう意味では予断を許さないと思っております。ですから、この構造改革を進めるに当たって、先ほども私、さらに厳しい状況が想定されると、こういうふうに申し上げましたけれども、全体が5%を超えることも可能性としてあるわけです。しかし、その中で、我々としては、産業構造改革雇用対策本部でもまずたたき台として、私どもとしては、新規産業を創出をして、そして、ベンチャーを含めて雇用を吸収する、そのための具体的ないろいろな方策を出させていただきました。
したがって、それを着実に実施していくことによって、非常に厳しい局面の中で、雇用をできるだけ吸収すると、そういう形で、私は全力を尽くしていかなければならないと。可能性としては、5%という可能性もあると思います。しかし、それをできる限り少なくしていくということが、我々経済産業省に課せられた、特に中小企業を担当する当省としては、ここが一番大きなポイントで、努力をしなければならないと思っています。 |
Q:
その点については、補正予算の必要性についてはどうですか。 |
A:
補正予算というのは、具体的に、いつということではないわけですけれども、私は、補正予算をもしやるとしたら、その中で従来型の補正予算ではなくて、今申し上げたように、やはり新規の企業の育成だとか、雇用創出、そういったところに、重点的にやる補正予算、そういう形で、もし補正予算をやる場合には、そこに力点を置くべきだと、このように思っています。 |
Q:
今の話の流れの中で、失業率が5%になる可能性もあるとおっしゃいましたけれども、大臣の認識では、それはあり得ると。 |
A:
可能性としては、4.9%まで来ていますし、また、地域によっては、それを超えているところも現実にあります。それを低めに抑えるということで最大限努力をしなければいけませんけれども、しかし、可能性としては、そういう事態もあり得ると。ただ、断言はできません。ただ、我々としては、最大限の努力をすると、そのためには、やはり平成14年度の予算、これが10日に概算要求基準が出ますけれども、ここもしっかりつくっていかなければいけませんし、そういう意味では、今日も尾身大臣から発言がありましたけれども、今申し上げたように、補正というものがもしあるとしたら、そういったところに力点を置いて、従来型のものではだめだと、こういう形でやるべきだと思います。
(以 上) |