国会短信 国会短信
通商産業大臣 再任後 記者会見 ( 2000/12/05 )
於記者会見室 22:01〜22:28


【抱負】

 私も、7月に就任して5か月になりまして、これでおしまいかなと思っておりましたら、経済対策というのは継続性があるので、引き続き留任をしてほしいと、こういうことで留任になりました。
 先ほど、初閣議がございまして、まず、官房長官から、内閣総理大臣談話の発表がございました。改革の趣旨を体現できる強力な体制を整えることにしたということで、日本新生のための新発展政策を速やかに実施すると。そして、来年度の予算編成と税政改正を、きっちりやり、経済財政対策を講じていきたいと。
 それから、21世紀の新たな発展基盤の構築のために、産業新生会議で四つの柱が打ち立てられておりますけれども、ITと都市基盤の整備と高齢化対応と循環型社会、これらを引き続き重要4分野として戦略的な施策展開を図る。そして、経済構造改革を着実に推進をして、より効果あらしめるようにしたい。
 それから、ITに関しては、特に、基本法が成立したので、重点計画を策定をして、集中的に制度改正を行っていきたい。
 それから、教育・社会保障の問題、これに真っ正面から取り組んで、国民に明確なビジョンを提示をしたい。来たる通常国会は教育改革国会と位置づけたいと、こういう総理の談話がございました。
 それから、三宅島の噴火をはじめとして、災害対策に万全を期していきたいということと、それから、外交に関しては、日米関係を基軸として、日露平和条約交渉についても交渉を積み上げて、最大限の努力をしたい。それから、中国、韓国、ASEAN、アジア諸国との関係を緊密化していき、米韓との緊密な連絡のもとに、北朝鮮との国交正常化にも取り組んでいきたい。そして、アジア・太平洋地域の安定と平和、これに努力を傾注したい。
 それから、省庁再編でありますから、これを機に、内閣の首長として、行政の減量・効率化、政策評価、規制改革等の行政改革を推進をしていきたい。経済財政施策と総合科学技術政策をはじめとする国政の要点については、内閣府の発足を見据え、確固たる指導性を発揮して責任を全うしていきたい。こういう談話がございました。
 それから、総理から、発言がありまして、省庁改革に向けて国民本位の行政をしていきたいと、そういうことで、各閣僚は人心の掌握に努めて、省庁改革、これをより実効あらしめるように努力をしてほしい。
 それから、日本新生のビジョンを明確に示したい。国民から信頼される政府の構築を目指したい。そのために、関係閣僚の全面的な協力をお願いしたい。
 こういうことでございました。
 それから、総理から、不在中の臨時代理の順位の発表がありまして、一位が従来どおり官房長官、二位が外務大臣、三位が法務大臣で、四位が私、通産大臣、五番目が柳沢金融再生委員長、この順序で臨時代理の順序をこういう順序で発表がありました。
 それから、総理経験者の宮沢、橋本両国務大臣には、大所高所から国政全般についてご助言をお願いしたいと、こういう、総理から、特に話がございました。
 あとは、細かい、資産公開等々の事務的な話が官房長官からありまして、これは官房長官がまとめて記者会見をすると、こういうことでございまして、以上であります。

 留任に当たりまして、若干、私から、コメントをさせていただきたいわけですけれども、この5か月間、非常に、通産省の職員の皆様方が一生懸命日夜頑張っておりまして、私も、本当に、いろいろな案件で役所の皆さん方が寝食を忘れて頑張っている姿を見て、非常に、感動を何度も覚えました。
 その中で、非常に、この5か月間、朝も申し上げましたけれども、就任させていただいて、非常に印象深いことが幾つかありまして、それは、一つは、やはり、FTA、これをシンガポールに行きまして、ゴー・チョクトンさんと下話をさせていただいて、最終的に両首脳の中で合意を見て、この1年以内に正式に立ち上げる。これは、やはり、WTOを基軸としながら、その補完的な二国間協定、これの先鞭をつけられたということは、非常に、すばらしいことだと思っておりまして、さらに、皆様方もご承知のとおり、韓国や、あるいは、メキシコとも、そういう事務レベルの研究会等が進んでおりまして、これまた、状況が来れば結論が得られる、そういうことになっていくのではないかと、そういうふうに思っておりまして、引き続き、そういう面でも努力をしていきたいと思っております。
 それから、WTO関連に関しては、私は、率先して、アメリカにも、あるいは、EUにも、それから、ASEANの各国、チェンマイに行きましたときも、シンガポールに参りましたときも、とにかく「早期立ち上げ」と。こういうことで日本の立場を一貫して主張してまいりました。
 そういう中で、九州・沖縄サミットの中で、アメリカを含めて「早期立ち上げ」と、こういう形で合意が成立をしたことは良かったと思っていますし、年内はちょっと物理的に無理かもしれませんけれども、「早期立ち上げ」で努力をする、この基本姿勢を貫いていきたいと、こういうふうに思っています。
 それから、産業新生会議、これも就任早々発足をいたしまして、私は、担当大臣として、この産業新生、その進捗を司会進行を含めて責任者として取りまとめをさせていただいた。一つの方向性が固まってきたということは、森内閣の一つの大きな柱ですから、これも、引き続き、努力をさせていただきたいと思っていますし、また、IT戦略本部、IT戦略会議のメンバー、そして、IT戦略本部の副本部長として、ずっと議論に参画をしてまいりましたけれども、これも、ITの基本戦略というものをまとめることができ、そして、IT基本法も、私も、その臨時国会の合同審査で何度か答弁に立たせていただきましたけれども、この成立を図れたことは非常に良かったと思っておりまして、これが言ってみれば最初のスタートですから、これから、通常国会、さらには、2005年までにアメリカをキャッチアップして追い越していくと、そういう遠大な目標がありますので、担当大臣として、このことも一生懸命頑張らせていただかなければならないと、そういうふうに思っています。
 それから、経済構造改革担当大臣として、産業新生、日本新生、この四つの柱、これを強力に推進していくためには、経済構造改革というものを大胆にやっていかなければいけないと。
 既に、幾つか手をつけさせていただいていますけれども、これも、これから、大きな課題でございますので、通産省、来年からは経済産業省ですけれども、一省だけの問題ではなくて、他省庁にまたがる問題ですから、例えば、書面法において、各省庁のいろいろなことを取りまとめて50本の法案にまとめたというようなことも含めて、我が省がイニシアティブをとって経済構造改革を進めていかなければいけないと、そういうことで、責任は非常に重大だと、そういうふうに思っているところであります。
 それから、エネルギーの問題に対しては、今朝ほども申し上げましたけれども、一つは、イランとの間で基本的な交渉優先権を持てたと、こういうことは非常に良かったことだと思っておりますし、また、原油の高騰に対処して、アメリカにも働きかけ、ヨーロッパにも働きかけ、消費国サイドから、いわゆる産油国サイドに働きかけて、そして、原油の増産体制、こういうものが実現をでき、さらに、場合によっては備蓄を持っている日本をはじめとする、そういった国々から、原油価格の安定のために放出する用意があるというメッセージも発することができたということは、これからも産消対話を通じて、石油価格の安定化のために、エネルギー政策として、頑張っていかなければいけないと思っております。
 それから、エネルギー政策の中で、安全を担保しなければいけませんけれども、原子力は21世紀にも主要な位置を占めると。そういう形で、安全というものを第一としながら、国民の理解を得る、そういう原子力行政も当省の責任の中で、しっかりとやっていかなければいけない。しかし、同時に、省エネルギーも、新エネルギーも、これも、まだまだ、全体に占めるパーセントは少ないですけれども、この問題にも果敢に挑戦をしていくことが必要だと思っています。
 それから、中小企業の対策に関しましては、特別保証制度が来年の3月に切れるということで、この臨時国会で共産党さんだけは修正案を出されて、結果的には反対をしましたけれども、賛成多数で新たな一般保証制度、これが成立をできたと、こういうことで、引き続き、経済の基盤を支えていただいている中小企業に対して、しっかりとしたそういう手当ができたということは、非常に良かったなと思っております。
 それから、当省関係では、工業技術院、最終的には独立行政法人、そういう形になりますけれども、この研究機関というのはすばらしい21世紀を担う、そういう研究の集積体でございますので、ここのナノ技術でありますとか、フラット画面の、いわゆる新しいそういうシステムによる新しい形のフラットのテレビジョン、そういう技術というものは、必ず、将来、私は、花が開くと、そういうふうに思っていますので、科学技術創造立国の一翼を担う通産省としましても、こういった科学技術の分野にも力を入れていかなければいけないと思っています。
 それから、IT化が進むと、知的所有権、あるいは、特許、こういう問題が、非常に、大きな問題になりますけれども、特許庁というのは、いち早く、ある意味では電子政府化、これが進んでいるところでございますから、そういった形で、特許庁にもさらに、特許庁の内容充実ということで、来たるべきIT社会にきっちり対応できる、そういう体制をつくっていかなければならない。
 そんなふうに思っておりまして、いずれにいたしましても、来年1月6日から、経済産業省になるわけでありまして、この国の経済に責任を持つと、そういう責任感を持って全省一丸となって、我々は、頑張っていかなければならないと、そういうふうに思いまして、引き続き、担当することになりましたので、今後とも、皆さん方にいろいろな面でお世話になると思いますけれども、どうぞよろしくお願いをいたします。
bar
【「経済産業省」】 】
Q:
 留任ということですけれども、一応、1月6日から経済産業省になり、初代の経済産業大臣になるわけですが、初代大臣としての心境はいかがですか。

A:
 今申し上げたことの中に全部含まれていると思うんですけれども、「経済」というものが「冠」についたという意味は、私は、非常に大きいと思います。
 経済立国であり、そして、世界第二位の経済大国でありますから、こういうグローバライゼーション、そういう中にあって、経済産業省として生まれ変わるわけで、その初代の大臣として、非常に、責任も感じておりますけれども、文字どおり、この地球規模になる経済体制の中で、通産省が、内外、そういう両方の架け橋になって、日本の経済の発展を増大していく、そういう責任を担うという形で、私は、非常に、責任も痛感をしています。
 その中で、民間の活力をいかに活用して、そして、構造改革、そういうものに大胆に挑戦するか、それが経済産業省に課せられた命題だと、こういうふうに思っておりますので、そういう抱負を持って新しい体制の中で頑張っていきたいと思っています。
bar
【FTA(シンガポール)】
Q:
 具体的な案件ですと、FTAのことに再三触れられているので、ちょっと聞かせていただきたいんですけれども、シンガポールの、差し迫った話ですが、具体的な、年内は無理ですけれども、1月の早々とか、交渉とかはあるのでしょうか。

A:
 それは、一応、来年度中にはきちんと最終合意までいこうと、こういう合意ができておりますので、それに向けて作業をずっと進めてきておりますし、来年も、年が明けたら、当然のことながら、積極的に、来年中の、できれば「アズ・スーン・アズ・ベター」ですけれども、早い段階で最終締結ができるように、シンガポールも非常に意欲的ですから、我々としても、年明け早々も、どんどん作業を進めてやっていきたいと思っています。
bar
【日米自動車協議】
Q:
 これは、年内の話なんですけれども、日米自動車協定というのが期限切れになりますけれども、直前の交渉があって、それも再交渉ということで、現に継続中なんですが、この辺はいかがですか。

A:
 これは、最初、課長レベルという話が始まっておりまして、これも、今、継続中であります。
 そういう中で、一つは、アメリカの大統領選挙の帰趨が未だ明確ではないというようなことがございますけれども、一応、年内という形でございますので、まだ一月近くございますから、そういう中で鋭意努力をしていきたいと。
 次回の開催地等も、例えば、具体的にどこにするかというようなことも、これから検討して、年内にも、また会合は当然開かれることになると思います。少し高級レベルの会議を含めてという意味です。ただ、そこは、未だ明確に「何時」ということは言えません。
bar
【WTO「早期立ち上げ」】
Q:
 WTOの新ラウンドですが、早期立ち上げに向かって、具体的に、どのような働きかけをされていこうということですか。

A:
 これは、あらゆる場を通じて、森総理自身が、九州・沖縄サミットでもそういう提言をいたしましたから、当然、首脳レベルでも、そういう積極的な働きかけを行わなければいかんし、我々、通産省も、それぞれのチャネルを持っておりますから、そういう中で、引き続き積極的にやっていくと、こういうことになると思います。
bar
【内閣改造の経緯/新内閣】
Q:
 人事のプロセスで、大臣と額賀さんのことがクローズアップされておりまして、国民もその辺に注目する節もあるんですけれども、とりわけ、大臣は、経済産業省とか通産省ですから、額賀さんは経済企画庁で、何かとすり合わせが必要なことが出てくると思いますが、大臣も、きっと不本意でいらしたと思うんですけれども、今後、経済政策の観点上で両大臣の関係について問題があるのでしょうか。

A:
 額賀氏とは、私は、いろいろな面で非常に仲良くしておりますので、いろいろ報道で、いろいろな形で、出て、それが「志帥会」対「平成研」というようなことになりましたけれども、当事者である額賀氏と私は、全く、ある意味では「蚊帳の外」みたいな形で、ですから、初閣議で会ったときも、何のわだかまりもありませんし、今までも親しいつき合いをずっとしてきましたし、また、経済人と我々政治家との、例えば交流会というのがあります。そういう中でも、特に、いつも議論をしている仲ですから、私は、これまでの延長線上の中で、しっかりと協力関係はできると、そういうふうに思っていますので、私は、全く、そういうことを心配していませんし、彼もそうだと思っています。

Q:
 特に、大臣は、経済成長率の3%のお話もあったり、あと、ITの戦略会議の話もありましたけれども、計画全体がそういうふうに進むわけですが、お二人でやっていくわけですか。

A:
 当然、協力してやっていかなければいけないと思います。
 今までも、本当に、仲良くやってきていますから、そういう中で、ちょっと報道に出ていた派閥のことは、我々は、関係なしにやっていこうと、そう思っています。
 そういうのは、大体、自民党というのは、そういうところがありますから、私は、別に何も心配していません。

Q:
 総理経験者が二人もいらっしゃる内閣という、大変重い感じがするのですけれども、いかがでしょうか。

A:
 そうですね。
 総裁経験者ということになると三人になるわけで、大変、そういう意味では、厚みがあり、私は、同県でございますし、同窓である橋本元総理が入ったということは、非常に、第三次森内閣が安定感を増したのではないかと、そういうふうに思っておりまして、そういう意味では、ある意味では、国民の皆さん方に対する信頼感、イメージ、そういうものは良くなったのではないかと、そういうふうに、私自身は評価しています。

Q:
 「泥船」かどうかは別として、短命という見方もあるわけですけれども、今回の布陣で、そういう見方を払しょくできるかどうか、実績というのは出せるのでしょうか。

A:
 私は、ちょうど、総理官邸の記者会見のときに「泥船」と言われましたから、「高速のクルーザー」だと、こういうふうに言ったのですけれども、確かに、支持率が低いということは、私は、事実だと思っています。
 しかし、要は、これから、本当に、国民の皆さん方が信頼できるような、そして、国民の皆さん方が評価できるような、そういう実績をこの内閣で上げることが信頼回復につながっていくし、また、そういう形で実績が上がってくれば、そういう意味では、私は、非常に、政権も、短命だとか、そういうことではなくて、持続はできると思っていますし、また、今は、非常に、内外いろいろな問題があるところですから、そういう意味では、一致結束、私は、頑張っていかなければいけないと。
 ですから、今は、確かに、支持率は低いですけれども、しかし、必ず、きちんとした、そういう体制を組んで実績を上げれば、そういう支持率は回復するし、短命ではなくて、持続的な政権は、私は、維持できると、こういうふうに思っています。

Q:
 「加藤・山崎グループ」というのは、今回、誰もいないんですけれども、この「しこり」というのはいかがですか。

A:
 彼らも、やはり、現に、野党が提出した不信任案に欠席をしたということは、彼ら自身も、よくわかって行動したことでございますから、そういう意味では、彼らも、今回の人事で、ことさら、不満を抱いて、そして、反動的な行動ということは、彼ら個々には、みんな仲のいい人たちですから、その後も、よく連携をとって、いろいろな話をしていますけれども、そういう「しこり」は、私はないと思っています。


 (以 上)

戻る


address お問合せはこちらまで
info@hiranuma.org

Copyright(c)2000 HIRANUMA office - All rights reserved