「産業新生会議」後の記者会見の概要 ( 2000/10/12 )
於官邸記者会見室9:50〜10:11
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(平沼通産大臣)
それでは、第3回産業新生会議の内容について、私からご報告いたします。
本日、8時30分から9時45分まで、官邸大食堂において、産業新生会議の第3回目が開催されました。
本日は「企業活動を支える制度基盤、循環型経済社会に向けた基盤整備について」というテーマで、幅広い議論を行ったところであります。
はじめに、これまでの会議で提起された政策課題についてとりまとめました「経済構造改革に向けた当面の対応策」、資料2にありますけれども、各大臣から報告があったわけであります。
まず、保岡法務大臣から、資料2の2ぺージになりますけれども、「企業法制の見直し」について説明があったわけでございます。
要点を申し述べますと、一番目として、会社法制の改革。
会社法制の抜本改正のための商法改正案を、平成14年の通常国会に提出するべく準備をするということであります。
特に、ストックオプション制度の改善とインターネットを利用した株主総会運営については、産業界からの要望も強いわけでございまして、一歩前倒しを決断した。来年秋の臨時国会への法案の提出を検討する。
また、CP(コマーシャル・ペーパー)のペーパーレス化については、次期通常国会に法案を提出する。こういう説明がございました。
二番目に、会社法の緊急立法のための体制強化につきまして、法務省については、定員増の要求、民間有識者の採用の検討を行うとともに、通産省職員の出向による応援を得る予定である。
また、法制審議会については、審議の迅速化、委員の半数を法律専門家でない者とするなど、抜本的な時代に対応した見直しを行っていきたいと、こういう意見表明がありました。
基本法の整備への対応としましては、今後の商法をはじめとする、民事、刑事の多数の基本法の整備への、より抜本的な対応として、特別の組織体制を時限的に設け、集中的に処理することを検討すべきだと。
こういう法務大臣としての強い意見の開陳があったわけであります。
次に、津島厚生大臣から、「企業年金制度の改革」について説明がありました。資料2の2ページにございます。
一つ目は、確定拠出年金制度については、今後できるだけ早く法案を国会に再提出し、制度の早期導入を図りたい。
二番目に、統一的企業年金制度については、次期通常国会への法案提出に向けて、関係省庁と連携しつつ検討を進めていく考えであると、こういう津島厚生大臣からの意見の開陳があったところでございます。
次に、相沢金融再生委員会委員長から、「金融インフラの整備」についての説明がございました。資料2の3ページでございます。
一番目は、コマーシャル・ペーパーの無券面化について、次期通常国会への法案提出に向けて、法務省と共同で立法化作業を進めていきたい。
二つ目として、証券決裁システムの改革についても、決済期間の短縮をはじめとして、スピード感をもって制度整備に取り組んでいく。こういう意見の開陳がございました。
次に、吉川労働大臣から、「雇用システムの整備」について説明がございました。資料2の3ページであります。
今回の「当面の対応策」において、下記のような施策を盛り込んでいる。引き続き構造変化に対応した諸制度の見直しに取り組んでいく考えである。こういうことでございます。
一つは、インターネットを活用した職業紹介事業の円滑化。
二つ目は、雇用保険3事業における助成金について、労働者の主体的な能力開発に重点を置く方向での見直し。
三つ目としまして、雇用対策法等の雇用関連法律の改正案を次期通常国会に提出をする。
四番目として、労働者派遣制度について、実態調査に本年度から着手し、派遣期間や対象事業のあり方の検討を開始していきたいと、こういう決意の表明がございました。
次に、大島文部大臣兼科学技術庁長官から、「技術革新のための基盤整備」についての説明がありました。資料2の5ページにあります。
大学の講座の弾力化については、次期通常国会に向けて検討している。しかし、学科の設置自由から憲法上の問題もあり、未だ結論を出すに至っていない。
また、任期付き教員の制度改善については、今後、人事院と検討を進めていきたいと、こういう意見がございました。
国立大学の独立行政法人化については、平成13年度中に方向を出す予定であり、「当面の対応策」に盛り込んだ施策を含め、大胆な大学改革を進めていく。
さらに、「当面の対応策」に記載した事項をさらに検討し、次期科学技術基本計画に盛り込んでいきたい。
任期付き教員の任用の問題、資金の問題も含めて、基本計画に盛り込んでいきたいと、こういうことでございます。
最後に、私の方から、「中小企業のIT革命への対応」と「日本型IT社会実現に向けた取り組み」について説明をさせていただきました。資料2の7、8ページであります。
一番目は、中小企業のIT革命への対応。
平成15年度末を目標として、3か年計画にて取り組むこととし、平成15年度末において、中小企業のおおむね半数程度が電子商取引などインターネットを活用できるように、きめ細かな施策を講じてまいる。
また、二番目といたしまして、日本型IT社会実現に向けての取り組みとして、IT戦略会議で、以下の方針を固めているということで、一番目は、IT基本法案、及び書面制度見直しのための一括法案を今臨時国会に提出するようになる。二番目といたしまして、電子政府の平成15年度までの完全実施及び可能な限りの前倒しをしていきたい。こういう表明をさせていただきました。また、次期通常国会に向けて、電子商取引のための新たなルール等を整備するための法案を策定してまいりたいと思います。
こういうことで、私から報告をしたところであります。
次に、本日のテーマについて、3人の産業界側委員からのプレゼンテーションがございました。
最初に、コマツ製作所会長でいらっしゃる片田委員から「企業法制に関する環境整備」と題しまして説明がありました。ポイントは以下のとおりであります。
一つは、IT革命等のもとで会社法制改革の緊急性が高まってる。立法化のスピードアップのため、一つは、先ほども出ましたけれども、法制審議会の委員構成、それから開催頻度等の見直しをしてほしい。二番目としまして、法務省・内閣法制局等の立法スタッフの増員をぜひ図っていただきたい。また三番目として、衆・参法務委員会の審議迅速化、そういうものが重要であると、こういうご指摘があったところでございます。
また、二番目といたしまして、経団連でとりまとめた「商法改正への提言」について、今後の商法改正に十分取り入れて欲しいというご希望が書かれてございます。
次に、ユニチャームの社長でいらっしゃる高原委員より「柔軟な労働市場の整備・人材育成方策」と題しましてご説明がありました。ポイントは以下のとおりです。
一つは、急速な構造変化に対応するため、労働者派遣制度、有期労働契約等に関する各種の規制について、平成13年度中に見直しが必要である。
二つ目として、インターネットによる職業紹介の早期実現のため、職業紹介に関する書面主義、対面主義、職業紹介責任者等の規制の早急な見直しが必要である。
次に、東芝会長の西室委員から「循環型社会に向けた基盤整備」と題してご説明があり、ポイントは以下のとおりです。
一つは、廃棄物の最終処分場の確保が深刻な問題となっており、ソフト、ハードの両面からの基盤整備が必要である。
ソフト面では、規制改革により、廃棄物の定義の見直し、リサイクルの広域的実施を可能とする制度の弾力化等が必要であるというご指摘でありました。
また、ハード面では、官民協力のもとに、廃棄物処理施設とリサイクル施設を一体的に整備する「新資源産業センター」をモデルプロジェクトとして推進すべきだというご提言。
それから、四番目といたしまして、PCBの処理についても早急に着手できるように、ぜひこれもお願いしたいと、こういうご意見がございました。
次に、産業界側委員からご意見をお聞きいたしました。
まず、イトーヨーカ堂の社長である鈴木委員から会計基準の国際化の整備を迅速に進めていくことが重要であると、こういうご指摘があり、会計基準の設定主体を民間化することも重要であり。ぜひこの検討を進めてほしいと、こういうご意見がございました。
次に、アサヒビールの会長である樋口委員から、西室委員から指摘もあった廃棄物処理について、市町村の合併との関係が重要であり、広域処理の観点から、連携を考えていくことが必要であり、二、三合併が進んだ都市の産業廃棄物の処理についての効率化の実例を挙げる、そういうご意見がございました。
次に、大西委員から、企業法制について、中小企業への適用については、非公開会社の中小企業への適用弾力化のための配慮が必要だと、こういうようなご指摘がございました。
また、トヨタ自動車の社長の奥田委員から、西室委員からの指摘があった廃棄物処理の問題に関して、自動車の処理の観点も重要であると。このことも考慮に入れていただきたいと、こういうご指摘がございました。
また、今、こちらにいらっしゃる経団連の今井委員からも、企業法制の見直しについては、本日出されたスケジュールを高く評価をする。ぜひ、さらに推進をしてほしいと、こういうご要望があり、経済社会全体の見直しに向けて、規制緩和め、総理直属の推進組織をつくって、そして強力に推進をすべきであると、こういうご意見があったところであります。
また、秋草委員から、リサイクルについては、廃棄物の定義の問題を含め、規制改革を通じて、民間の活力が導入されるように努力をしていただきたいと、こういうご意見がございました。
また、常盤委員の方から、大学の学科設置の自由化について、文部大臣から難しいとのことだったが、引き続き、これを検討していただきたいと。
それから、大学教員の任期付き任用制度については、年内中に給与面の改善等について具体的な対応策を示していただきたいということでございました。
次に、政府側の委員から、以下の発言が出されております。
津島厚生大臣から、廃棄物の定義の見直しは、デリケートな問題を含むことにも注意が必要であると、こういうご指摘がありました。
例えば、リサイクルが可能だということで古タイヤを積み上げて、それに火がついて大火事になるとか、あるいは豊島の問題、そういった問題を含めて、デリケートな問題も含めて注意をして、慎重に、しかし確実にならなければいけないと、こういうふうにお話がありました。
リサイクルについては、産業界側の委員からご意見が出たとおり、広域処理が必要なので、そういう面での支援をしていきたいと。
それから、PCBの処理については、予算要求もしたので、これはちゃんと推進していきますというお話がございました。
また、川口環境庁長官から、来年から、廃棄物の処理が、環境庁が環境省になって担当することになる。所要の予算要求等支援対策に取り組む。こういう環境庁長官のお話があったところでございます。
また、中川官房長官から、立法の体制については、内閣法制局の体制については、私の方で、いろいろ検討を加えていきたいと。法務委員会については、国会のマターではあるけれども、政府・与党の場で適切に問題を提起するつもりであると、こういう官房長官からの意見開陳がございました。
谷農林水産大臣からも、飽食の時代で、食品の食べ残しの処理の問題も重要な問題となっている。やはり、そういうこともこれからの社会の変化で真剣に考えていくことになろうと、こういうご意見がございました。
それから、再度、保岡法務大臣から、立法体制の強化については、官邸と相談をしながら全力的に取り組んでいくと。
それから、大西委員からご指摘があった中小企業の企業法制の問題については、検討を加えます。こういうご意見がありました。
また、堺屋経企庁長官からは、環境問題については、「日本新生プラン」の中で位置づけていくということでありました。
それから、再度、大島文部大臣から、常盤委員からのご意見について、学科の自由化については、自由化は難しいけれども、適切に配慮していくと。学科の増設も、近年、盛んにやっておりまして、実例として、どんどん受け入れる傾向にあると。ですから、そういう気運を伸ばしていく。そういうご説明がありました。
また、二番目として、大学の任期付き教員の任用については、人事院と鋭意相談をするつもりである。こういうことでございました。
最後に、お手許にお配りしておりますとおり、総理より、締めくくりのご発言がございました。ポイントは以下のとおりですけれども、お手許にございますから、敢えて私から説明は省略させていただいてよろしいでしょうか。
以上でございまして、今井会長から何かご意見がございましたら...。
(今井会長からは「特段ありません」とのこと。)
では、今日の第3回の産業新生会議の概要は以上のとおりでございます。
ご質問がございましたらどうぞ。 |
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| (質疑応答/今井会長) |
Q:
今井会長からお話があった総理直属の推進組織をつくるということがあったんですけれども...。 |
A:
ご承知のように、規制緩和が3年で計画が切れますね。
それに対しまして、総理は、8月4日の行革推進本部で、新たな、その概要計画の設定と、それから、新たな推進体制の整備ということを指示されているわけです。
私の方は、経団連としては、それに加えて、地方自治の課題、今、諸井さんがやっているのが、来年半ばで終了しますし、それから、行革の会議の方も来年半ばで終了しますし、そういった地方の行革と、先ほどの規制緩和、時代の変わり目ですから、そういうことを推進するような、いわば「臨調」みたいな、強力な総理直属の推進機関、こういったものの設置が必要だということを、今、申し上げておりまして、そういうことで、今日、私の方からも再度申し上げたと、そういうことでございます。
(以 上) |