「産業新生会議」後の記者会見 ( 2000/08/31 )
於官邸記者会見室9:14〜9:25
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○平沼通産大臣
それでは、第2回産業新生会議の内容について、発表をさせていただきます。
本日、午前8時から9時10分まで、官邸大食堂において、第2回産業新生会議が開催をされました。
本日は、「新産業創造に向けた横断的環境整備」というテーマで幅広い議論を行ったところでございます。
初めに、私から、第1回会合における議論を踏まえて、そして取りまとめた今後の検討課題について、簡単にご説明をいたしました。これは、本会議で今後検討すべき課題について、できる限り具体的な政策課題を盛り込んで整理したものであり、今後、順次取り上げてご議論をいただくことに相なると思います。具体的な政府の対応につなげていくことに相なります。
次に、本日のテーマについて、4人の産業界側の委員からのプレゼンテーションに入りました。
最初に、奥田委員より「IT時代に対応した迅速な企業経営のために必要な企業法制・雇用制度等のあり方」と題しましてご説明があったわけであります。
ポイントとしては、一番目にIT時代において企業組織の再編等はスピードが命である。こうした観点から、商法について、ストックオプションの付与対象者の子会社経営者への拡大等の大幅な見直しが必要だ。
二つ目としましては、雇用の柔軟化については、派遣期間の上限、現在は1年でありますけれども、その撤廃など、労働者派遣法の大幅な見直し、裁量労働制、フレックスタイムでありますけれども、その活用のための労働基準法の規制緩和が必要であると、こういうご指摘がありました。
三番目といたしまして、行政サービスについては、ワンストップ化により、利用者本位のものに改めていくことがぜひ必要だと。企業年金については、確定拠出年金法案の早期成立とともに、厚生年金基金の代行部分の返上など、企業年金改革の早期実現を達成をしてほしい。こういうご意見があったところであります。
次に、大西委員より、「IT経済に向けた中小企業対策」と題しましてご意見の開陳がございました。
ポイントは以下のとおりであります。
一つ目は、我が国経済の太宗を占める中小企業について、デジタルデバイドが実は拡大している。IT革命に関する情報提供、IT対応に意欲的な経営者に対しての支援がぜひとも必要だと。
二つ目として、具体的にはIT導入の成功事例等に関する情報提供、IT支援人材の育成、IT投資への政策金融、税制措置の拡充などの対応が必要である。
また、IT対応のための環境の整備として、安価で利用しやすいネットワークの整備、電子政府の早期構築、売掛債権の流動化に資する投機制度のIT化、こういったものを推進をしてほしい。こういうご意見がございました。
次に、前田委員から、産業新生に必要な環境整備、産業技術力の抜本的強化策を中心にご説明があったところであります。
ポイントは以下のとおりでございまして、一つ目といたしましては、産業新生のためには科学技術開発基盤の強化が不可欠である。そのために、産業技術力強化の視点を持つ次期科学技術基本計画の策定をすべきであり、総合科学技術会議主導による一元的な科学技術行政の推進が必要である。
二つ目といたしまして、次期科学技術基本計画の確実な実行のため、下記の点が特に重要だと思う。
その一つは、総合科学技術会議を総司令塔とする一元的な科学技術行政の推進。
また、二つ目といたしまして、総合科学技術会議による戦略的な科学技術予算の編成、配分、財政法の柔軟な運用による複数年度の予算の管理の実現も科学技術振興にとって必要なことである。
三つ目といたしましては、重点プロジェクトにおける一元的な産学官連携体制の構築、こういうご提言がございました。
最後に、常盤委員より、「創造的技術革新に向けた体制整備」と題しましてご提言がございました。
ポイントは、一番目として、我が国の科学技術の活性化のためにはあらゆる面で競争原理の導入が必要である。
二つ目として、組織面では、大学の独立行政法人化までに学部、学科の新設について、認可を不要とすることが必要だと。人材面では、国による人材流動化のための具体的計画の策定がこれまた重要であり、評価面では、大学などの評価にもっと産業界の有識者を参加させることが必要であるというご指摘がありました。
三番目に、こうした対応について、次期科学技術基本計画に反映をさせ、アクションプランを立ててぜひ取り組んでいただきたいと、こういうご意見の開陳でありました。
次に、産業界側委員からのご意見をお聞きをいたしました。
まず、あらかじめ資料の提出がございました片田委員から、会社法制改革についてのご発言があったところであります。
内容としては、企業法制改革の一層のスピード化が求められており、例えば下記の点はこの秋に開かれる臨時国会、または来年の通常国会での早い時期での実現が不可欠だ。
一つは、ITを利用した株主総会の運営。
二つ目は、一株当たりの純資産額基準、現在5万円でございますけれども、これを撤廃をすべきだ。
三番目としましては、ストックオプション制度の見直しをすべきである。
四番目としましては、CP、コマーシャルペーパー等のペーパーレス化のための法整備、こういうことが必要だと、こういうご提言をいただいたところであります。
さらに、高原委員から、ベンチャー企業の使い勝手のよい商法などへの改正が時代に即応して必要である。そして、ストックオプション制度の拡充、そういうものの対応が重要な課題になっている。
また、ベンチャー企業の人材確保の観点から、確定拠出年金法案の次期臨時国会での成立が必要だと、こういう重ねてのご意見がございました。
また、産業技術情報に関する知識ベースの構築が必要である。こういうご意見が高原委員からございました。
出井委員から、株主代表訴訟制度はアメリカに比べて日本の企業の役員の地位を非常に不安定にしていて、このまま推移すると重役になる人がなくなるというぐらい将来深刻な問題になる。したがって、改善が必要だと、こういうご指摘でありました。
また、レターストック制度など、企業の互角化に役立つ制度の導入というのも必要である。こういうご意見がございました。
牛尾委員から、片田委員の企業法制の問題は極めて重要な問題である。そして、そのポイントはいかに早期に実現していくか、そういうことが重要であって、来年の通常国会までに、まずどのような改革を行うか、次回の産業新生会議までにひとつ示していただきたいと、こういうご要望がありました。
二つ目の意見として、奥田委員がさきにご指摘になった雇用に関する制度改革も次回会議までにぜひ明確な方針を示してほしい。こういうご意見がありました。
西川委員から、金融サイドのご意見として、売掛債権の登記は銀行から見ても極めて重要だ。インターネットで登記ができるように、早急に実現をしてほしい。非常にそういう登記の需要が多いけれども、対応が今東京の法務局一局でやっていると、こういうことでは非常に時代に即応しない。そういうふうなご指摘がございました。
また、銀行の業務範囲の規制緩和について、利用者の転換から、業界の垣根にとらわれないサービスができるように、これも見直すべきであるというご提言がございました。
西室委員から、大学の設備を国がつくっても、使用制限が厳し過ぎて有効に利用できない。この辺の緩和も今後の日本のいわゆる研究開発、それを促進するためにも必要である。
また、大学運営について、従来の教授会中心の運営を見直して、より柔軟なものにすることが必要であると、こういうご指摘がございました。
今井委員から、本日の課題について、スケジュールを示して迅速に取り組むことが肝要である。
こういうご指摘をいただいたところであります。
政府側からも、今回は非常に大きな問題として各委員からご指摘が出ておりました法制化の問題について、保岡法務大臣から、迅速な法制度改革のために、法制審議会が並行で審議できるように改革案を近々示すつもりである。法務省民事局の人員の問題、これは前回の会議の中で非常に法改革をやるのには人での問題が一つあると、こういう現状の報告がありましたけれども、総理、官房長官とこういうことを相談をしており、抜本的強化のあり方を次回の会議で法務大臣としてお示しをするつもりである。そういう意見の開陳がございました。
それに関連して、出井委員から、人員が足りないということであれば、企業にはそれぞれ法務部があって人材もいる。だから、集めたらどうかと、こういうご提言もございました。
また、政府側から、大島文部大臣・科学技術庁長官から、常盤委員のご指摘について、学科の設置等の弾力化には努力をしているところである。また、競争的資金導入にも努力しているし、日本の企業も日本の大学に目を向け、資金、人員の流動化に一緒になって取り組んでほしい。さらに、科学技術基本計画への反映を含め、努力をしていきたいと、こういう文部大臣、そして科学技術庁長官としての意見がございました。
また、相沢金融再生委員長から、債券投機のIT化等については、今その改善に向けて法整備を検討している最中で、これを鋭意進めていきたい。
さらに、異業種参入の問題についても、次期通常国会で対応できるように、今準備をしておりますと、こういうことでありました。
川口環境庁長官から、リサイクル社会に向けて、いわゆる産廃場の設置の問題、これに真剣に取り組んでいるところである。
また、大学の弾力化にはスケジュールを設定して取り組んでいくことが重要である。これは経済界と同じ、そういう認識の開陳もございました。
時間が限られておりましたので、最後に、堺屋経企庁長官から、来年の中央省庁改革では、内閣府の設置、これが非常に重要な意味を持っている。したがって、その充実をすることがいろいろな問題解決に中心的な役割を果たすことになる。こういうことで締めくくりの発言があったところでございます。
最後に、お手元にお配りしてあると思いますけれども、総理より締めくくりの発言がございました。
読んでいただければわかるわけでありますけれども、今後、いろいろこういうIT革命という激しい時代変化の中で、果敢な改革の実行とそのスピードが求められている。このため、これまでの議論を踏まえて、緊要性の高い政策課題については、政府としての具体的対応を早急に固め、次回の会議において報告をさせていただきたい。
そして、通商産業大臣を中心に、各閣僚においては、これらの経済構造改革の取りまとめに向けて全力を尽くして頑張っていただきたい。こういうようなご発言があり、細かい内容は、とにかくお手元に配布してあると思いますので、ひとつよろしくごらんいただけたらと思います。
私といたしましては、総理から経済構造改革のための行動計画の取りまとめについて、ご指示があったことを踏まえ、経済構造改革担当大臣として、全力を挙げて取り組んでいく決意でございます。
本日の第2回産業新生会議の内容は以上のとおりでございました。 |
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| ( 質疑応答/平沼大臣 ) |
Q:
行動計画ですけれども、これは今日までに出たいろいろな論点を整理なさっていたと思うのですが、どういった順序づけで、リストアップしていくようなお考えか、基本方針をお聞かせください。 |
A:
構造改革のための行動計画は、年内に取りまとめなければいけないと、こういうふうに思っております。
本日の会議で合意されました今後の検討課題、これを中心に展開をしてまいりたいと思っています。そして、課題ごとの政府の施策とその実施期間をできる限り具体的に示していきたい。
前回、今回の会議で委員の方々から、IT時代に対応できる経済構造改革を実現するために、政府の迅速な対応を求める声が相次ぎました。そして、今、申し上げましたように、特に法制化という問題は非常に強い意見としてお出になりました。こうしたご意見を踏まえて、こういった緊要性の高い政策課題について、私どもとしては政府の対応方針を早急に打ち出して、いろいろ順序を決めて、次回会議にまとめてご報告をし、年内を目途にやっていきたいと、こういうつもりでおります。
ですから、緊要性の高い政策課題というのは、今触れましたけれども、IT時代に対応していくための企業関連法制など、諸制度の改革、これも非常に重要でありますし、また、中小企業、これがいわゆるデジタルデバイドと、こういう、本日も中小企業の代表である委員からもご指摘がございましたけれども、IT時代の新しい産業基盤つぐりをすると。そのために、創造的技術開発に向けた制度整備など、こういったことを中心に、プライオリティーを与えて、そして期限を切って迅速に対応していきたいと、こういうふうに思います。
(以 上) |