大臣閣議後記者会見の概要 ( 2000/08/25 )
於記者会見室10:40〜11:04
|
(閣議/閣僚懇)
まず、今日の閣議と閣僚懇談会のご報告をさせていただきます。
閣議は、一般案件が4件、国会提出案件、質問書などが8件、政令が9件、それから人事案件が6件ございまして、それから、報告案件が2件でありました。
配付資料は、消費者の物価指数ということでございました。
大臣発言として、まず総務庁長官から、平成12年度人事院勧告及び「一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律の制定についての人事院の意見の申出について」の報告がありました。
人事院勧告に関しては、内容的には、俸給表の改定を見送って、本年4月1日から扶養手当を引き上げるとともに、期末勤勉手当などの支給割合を0.2カ月分引き下げると、こういう内容でありまして、この結果、期末手当などを含めると、年間給与が2年連続でマイナスになったと、こういう報告であります。
次に、一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関しては、専門的な知識経験などを有する人材を、任期を定めた国家公務員として採用する仕組みを導入する、それに係る給与の特例を認める、そういう内容の申し出が人事院からあったと、こういう報告がございました。
それから、ご承知だと思いますが、消費者物価指数について、総務庁長官から、8月の東京都区部中旬速報値は、平成7年を100として、100.3となり、前月に比べ、0.1%の下落、同年同月に比べて、1.3%の下落となり、生鮮食品を除く総合指数では、前年同月比に比べ、0.8%の下落となったと。また、全国の7月の確報値は、101.3となって、前月に比べ、0.2%の下落、前年同月に比べて、0.5%の下落となったと、こういう報告がありました。
続いて、国土庁長官から、平成12年度の総合防災訓練について、8月30日から9月5日までの防災週間、各地域で防災に関する各所の行事を行うと。政府においては、9月1日防災の日に、東海地震及び南関東地域直下の地震を想定した総合的な防災訓練を行います。
東海地震を想定した訓練においては、臨時の閣議によって、警戒宣言を布告をし、地震災害警戒本部の設置の後、全閣僚による「地震災害警戒本部」の運営訓練を実施して、また、南関東地域直下地震を想定した訓練においては、総理に神奈川県の平塚で行われる、7都道県市合同防災訓練に政府調査団長として参加していただく、こういう報告がありました。
次に、外務大臣から、インド及びネパールで、今、洪水災害、大変、大規模なものが起こっているので、その深刻な事情に鑑みて、インドの被災民に対しては、50万ドル、ネパールに対しては30万ドルの緊急援助を行う、こういう報告がございました。
次に、谷農林水産大臣から、フィリピン及びタイの出張についての報告がありました。
閣議は、そのほか、外務大臣から、人事案件と、それから、河野外務大臣が海外に出張されますので、臨時代理として、官房長官が兼務すると、こういうことで閣議を終了しました。
懇談会に入りまして、国家公安委員長からの発言と、環境庁長官などの発言、さらには、それに関連して、文部大臣の発言がありました。
経済企画庁長官から、先ほど申し上げた消費者物価に関して、前年比で0.5%ダウンをしているということは、石油の値段など、いろいろなものを考えると、ちょっと警戒水域だから、注意深く見守りたいという趣旨の経企庁長官としての発言があったところであります。
大体、今日の閣議と、閣僚懇は以上のとおりであります。 |
 |
| 【産業新生会議/IT戦略会議】 |
Q:
来週、「産業新生会議」とか「IT戦略会議」がありますが、ちょうど予算編成とか臨時国会で、非常に重要な時期だと思います。
大臣としては、どんな議論に期待をされていらっしゃいますでしょうか。 |
A:
既に、総理も、一部、発言をされておられますけれども、やはり、回復基調にある我が国の経済を持続的な安定軌道に乗せる、そのために強力な経済対策が必要ではないか、そういう意味で、総理の発言も、臨時国会を開催して、そして補正予算も視野に入れる、こういうようなことを既に言われておりますから、当然、「産業新生会議」などでは、そういう議論も出るのではないかと思います。
私ども通産省といたしましても、やはり、経済構造改革を進展をさせながら、民需を喚起するために、公需がダウンをしてしまって、それをせっかく回復基調にある民需を引き下げてはならないというふうに思っております。
そういう積極的な経済政策、それを打ち出すべきだという基本スタンスは、私は持っておりますので、そういう姿勢で臨んでいきたいというふうに思っています。 |
 |
| 【基盤技術研究促進センター】 】 |
Q:
基盤技術研究促進センターのことで、3点ほどお伺いしたいんですが、まず、その総論として、これは、破綻処理ではないのかという疑問があるのですが、そのことについて、大臣はどうお考えなのかということが一つ。
もう一つ、企業の基礎研究に対する意欲というのは、景気低迷で落ちているのですが、その中で、敢えて国のお金を使って、企業の研究を支援する意義はどこにあるのかということが一つ。
それとあと、今までに2,700億円ほど出資されて、それがほとんど回収できないということなんですが、このことの責任について、通産省はどうお考えなのか。この3件について、お聞かせください。 |
A:
ご承知のように、基盤技術研究促進センターというのは、日本のいわゆる基盤的な技術というものが、諸外国に比べて立ち後れている、ですから、そういう基盤的な技術を強化をするということが日本の将来にとって必要だと、こういう形で、いわゆるNTTの株式の配当から、毎年260億円ずつ拠出を受けて、この展開をしてきたところであります。
我が国の研究開発の太宗を占めているのは、ご承知のように、民間の活力を活用して、基礎的な研究開発をしてきたわけですけれども、それを更に強化する、そういう目的として設立されたのは、ご承知のとおりです。
基礎的な研究開発プロジェクト、これは、109件に、ご指摘の2,720億円を出資をいたしました。
これは、産業投資特別会計からの出資を財源として、本来は、特許料収入により、金銭的リターンを求める前提となっていますけれども、特許料などの収入の累計が約20億円であるということはご指摘のとおりであります。
しかし、一面、そういう基盤的な研究、そういう開発でございまして、ポストゲノムとして重要性を増している蛋白質の構造改造分析、我が国では初めてできた蛋白工学研究所とか、学際的な研究環境の中で、人と通信との関わり合いをテーマとして、話し言葉による自動翻訳システム、これなども、随分、実際の民間の抽出、活用されている機器になっているわけです。
そういう独創的な研究開発を実施している国際電気通信基礎技術研究所、そういう国際的に評価の高い独創的な研究拠点も、成果として出ていることは事実でありますし、また、産学官の研究人材の育成やベンチャーの輩出などに効果も上げてきていることも事実であります。
したがって、基礎技術研究促進センター制度は、ご承知のように、研究開発会社に対して、産業投資会計出資より、今、申し上げたように、資金的な支援を行って、特許料収入などによって、長期的に資金回収を図る前提となっています。
けれども、ご指摘のとおり、これまでの実績から、2,720億円出しましたけれども、特許料収入とは20億円にしかなっていない、困難性が顕在化していることは、ご指摘のとおりの事実であります。
そして、更に、根幹企業との共同出資は、7割をそういう特別会計から出して、民間は3割負担により、研究開発会社を設立する制度、こういうことできておりますけれども、近年の新たな企業会計基準を背景として、民間企業側から見ても、本来費用である研究開発費を出資形態で負担することも、困難な状況にもなってきております。
一方、IT分野やバイオテクノロジー分野などの先端分野においても、我が国の産業技術の低下が懸念されている状況を踏まえれば、基礎的な研究開発分野において、我が国の研究開発の太宗を占める民間を支援、活用していくことは、私どもとしては、引き続き重要だと、そういう認識を持っております。
今月29日の産業技術審議会において、郵政省の電気通信技術審議会と共同で、外部の有識者による検討の場を設置することになっておりまして、これまでの実績の制度のあり方についての評価を行いつつ、民間の基礎研究開発をより効果的に支援する施策について、この各方面と相談をして、研究をしていかなければならないと思っています。
ですから、そういう郵政との共同の審議会でスタートをするわけですけれども、あまりこれに時間をかけてはいけない、こういうふうに思っておりますので、年内を目途に、はっきりした方向性を見出すべきだと思います。
ただ、こういう新しい基盤的な技術ということで、一方でかかった費用が2,720億円で、実際の特許料収入は、20億円と、その費用の差が大きいです。
けれども、しかし、そういう研究開発投資というのは、一概に金額の多寡で評価できない部分もあり、それによってもたらされたいろいろなに新技術によって、新しい産業が創出され、あるいは、雇用が生まれ、そして更に、それが発展をしていく、こういうことを考えれば、一概に、そういう面だけで評価をすべき問題ではないと、私はそういう認識を持っております。
いずれにいたしましても、そういう費用の差が非常に大きいということは、事実でございますので、これから、通産、郵政、そして有識者の検討会の中で、今後のあり方を含めて、どういう形が望ましいか、こういうことも早急に年内に結論を得るようにしていきたいと思います。
今、申し上げましたように、やはり、基盤的な、そういう研究というものは、21世紀の日本にとっても、ますます必要なことでございますので、そういう意味で、国が形を変えても、そういう形で積極的に協力していく姿勢ということは、日本の将来にとってもを必要なことだと、そういう認識を持っております。 |
 |
| 【原油価格動向】 |
Q:
原油のことについてですが、市場では価格が上昇しています。
来月のOPECの会合では、増産について議論されるようですが、それについてはいかがですか。 |
A:
原油価格の動向については、7月3日にサウジのナイミ石油大臣による、その高騰を踏まえて、日量50万バレルの増産発言をきっかけに、サウジ単独の増産の観測が強まり、下旬にはこの観測を裏づける報道がされたことから、下落基調が続いたことはご承知のとおりでありました。
しかし、8月に入って、サウジの7月の増産量が日量、実は50万バレルではなくて、12万バレルと、小幅にとどまったというIEAの統計が発表されたことと、ご承知のように米国の原油在庫が大幅に減少したことから、再び、原油でWTIで32ドル台、ドバイ原油で28ドル台まで上昇してきているわけであります。
したがって、今後の価格動向については、やはり、産油国であるOPECの動向や、それから、米国を中心とする消費国の動向や、石油在庫水準を引き続き注意深く注意をしていかなければならないと思っております。
私も昨日、サウジの駐日大使とお会いをしたときに、石油価格に対して、大使自身、どういう観点を持っているか、こういうことも率直に申し上げたところ、やはり30ドル台というのは、自分としては、高い水準である、石油の世界の経済を考えたときに、25ドルぐらいというのが妥当な線で、我々としてもそういう方向を維持して、努力していきたいんだと、個人的な見解というようなことでありましたけれども、サウジの大使のそういう見解もございました。
そういったことで、これから、OPECの内部、また、50万バレル増産をするといったサウジの今後の動向、そういったことを我々は注意深く見守りながら、やはり、日本の経済に与える影響というものは、石油価格というのは非常に大きな地位を占めています。
一時、エネルギーに占める石油の割合というのは、以前に比べては、原子力などのエネルギーが増えたということで低くなってきて、50%ぐらいになっているということも事実であります。
しかし、非常に、それは大きな影響をもたらしますので、やはり、原油価格は、本来であれば20ドル台前半が望ましいと、こういうふうに思っております。
ですから、我が国としては、原油価格の乱高下は、消費国、産油国の双方にとって、長期的に見て望ましいことではございませんので、原油価格の安定が双方の利益となると、こういうこともしっかりとPRしながら、そして我々としてもいろいろな折衝を重ねていきたいと、こういうふうに思っております。
なお、8月23日に、米国のクリントン大統領の発言で、現在の原油価格は高すぎる水準だと、経済成長を持続させるためには、バレル20ドル台であるべきだという発言もあります。
やはり、産油諸国もこういう発言は重く受け止めているんじゃないか、こういうふうに思っておりまして、そういう形で、我々としても原油価格のことに関しては、注意深く見守りつつ、いろいろ折衝を根気よくさせていただきたいと思っています。 |
 |
| 【株式譲渡益課税】 |
Q:
来年4月の株式譲渡益課税の申告分離一本化に関して、政府とか与党でも、源泉分離方式を存続すべきじゃないかという声が出ているようですけれども、大臣としてはそれに関してはどのように考えていますか。 |
A:
これは、有価証券の譲渡益課税に係わる分離課税の延長問題で、私の見解ということなんですけれども、現行の株式市場などの直接金融市場の活性化によって、直接金融を促進することは、言うまでもなく、資金調達基盤の強化の観点から重要な課題だと思っています。
ですから、このような観点から、直接金融市場の活性化に資する税制のあり方については、検討を行っていかなければならない、こういうふうに思っております。
今、党の中でも、今は源泉分離課税と申告分離課税、これらの選択制でありますけれども、やはり、私としては、党の議論を注意深く見守りながら、この国の経済の減速につながるようなことは行うべきではないと、こういうふうに思っております。
私は、個人的な見解としては、党の一部の判断で、やはり、当面、いわゆる源泉分離課税の延長という方が、今の経済にとっては望ましいのではないかというふうに思っています。
(以 上) |